代表的なケース属性

概要

このエンリッチメントは、ケース内の特定のアクティビティ発生時のイベント属性の値を抽出してケースレベルの属性を作成します。選択したアクティビティの最初または最後の発生から抽出することができます。

例えば、各ケースで最後に「請求書払い」を実行したリソース、最初に「注文作成」を行った顧客、または最後の「注文出荷」アクティビティを処理した倉庫の場所などのケース属性を作成できます。

主な利用例

このエンリッチメントを利用して以下を実現できます:

  • 請求書を支払った最後のリソースを特定し、支払担当者を追跡
  • 「注文作成」アクティビティから注文を出した顧客を識別
  • ケース内の最初の承認アクティビティから承認マネージャーを取得
  • 最後の出荷アクティビティから倉庫の場所を判定
  • 任意のイベントレベルの属性値を抽出して意味のあるケースレベルの要約を作成

設定方法

任意の分析画面から右上の「Log Enrichment」をクリックして「Log Enrichment」エンジンを開きます。

Log Enrichment navigation button

次に「Add New」をクリックします。

Add New enrichment button

次にエンリッチメントの種類を選択します。

設定項目

  • Filter: 任意のフィルターを追加できます。フィルターで選択されたケースにのみ属性が定義されます。すべてのケースに適用する場合は空欄のままにします。

  • New Attribute Name: 新しく作成するケース属性の名前を指定します。エンリッチメント実行後にケース属性リストに表示されます。

  • Event Column Name: 抽出してケース属性に昇格させたいイベント属性を選択します。例えば「Resource」を選ぶと、ケースの代表的なリソースを定義できます。または「Customer」を選びケースに関連する顧客を識別可能です。

  • Case Representative Activity Names: 属性値を利用するアクティビティ(複数選択可)を指定します。例えば「Pay Invoice」を選択すると、そのアクティビティで請求書を支払ったリソースを特定できます。

  • Case Representative Event Selection: 選択したアクティビティの中で「最初 (First)」または「最後 (Last)」の発生から属性を取得するかを指定します。

    • First: 選択したアクティビティの最初の発生から属性値を取得します。プロセス開始者を捉えたい場合に使用します。
    • Last: 選択したアクティビティの最後の発生から属性値を取得します。繰り返しがあるステップの最終完了者を捉えたい場合に使用します。

例 1

請求書を支払った最後のリソースを特定する設定例:

  • New Attribute Name: Last Resource to Pay Invoice
  • Event Column Name: Resource
  • Case Representative Activity Names: Pay Invoice
  • Case Representative Event Selection: Last

Representative Case Attribute configuration showing resource extraction settings

「Create」をクリックし、準備できたら「Calculate Enrichment」をクリックして新しい属性をデータセットに追加します。

Enrichment configuration dialog with example settings

出力

このエンリッチメントを実行すると、「New Attribute Name」で指定した名称の新しいケース属性が作成されます。属性値は指定したアクティビティ発生のイベント属性から抽出されます。

出力される属性

  • 属性名: 設定時に指定した名称(例:「Last Resource to Pay Invoice」)
  • 属性タイプ: ケース属性(ケース属性リストに表示されます)
  • 属性値: 指定したアクティビティ発生時のイベント属性値がコピーされます

出力例

上記設定例を用いると:

  • Event Column Name: Resource
  • Case Representative Activity Names: Pay Invoice
  • Case Representative Event Selection: Last

結果として各ケースに「Last Resource to Pay Invoice」というケース属性が作成され、そのケースで最後に「Pay Invoice」アクティビティを実行したリソース名が格納されます。

特別なケース:

  • 選択したアクティビティがケースに存在しない場合、そのケースの新属性値は空白(null)になります。
  • 複数のアクティビティを選択し、ケースに複数含まれる場合は、Case Representative Event Selectionの設定に応じて全選択アクティビティの中で一番最初/最後の発生が使用されます。

出力の活用方法

この新しいケース属性を用いて:

  • ケースのフィルター: 特定のリソースや顧客が担当したケースだけを表示
  • 可視化作成: どのリソースが最も多くの請求書処理をしているか、どの顧客が最も多くの注文をしているかの表示
  • 分析の実施: リソース、顧客、その他抽出した属性ごとのパフォーマンス指標の計算
  • ダッシュボード作成: 抽出した属性軸でのケース分布の表示
  • データエクスポート: 外部分析のために代表属性を含めてエクスポート

関連資料

関連するエンリッチメント:

関連トピック:

  • ケース属性 - mindzieStudioにおけるケースレベル属性の理解
  • イベントログ構造 - プロセスマイニングでのイベントとケースの整理方法
  • データエンリッチメント戦略 - プロセスデータを充実させるためのベストプラクティス